ローレンツ変換のローレンツ変換はローレンツ変換である
相対性理論における、すべての結論は次のローレンツ変換にはじまる。2つの慣性系、を考える。これらはそれぞれ直交座標
を持ち、原点にそれぞれ観測者がいる。系は系の軸方向に一定の速度(相対速度)で運動しており、時刻で系と系とは一致する。すなわち
軸と軸、軸と軸、軸と軸とは一致する。これはまた、一致した時点で2人の時計をに合わせると考えてもよい。
系は系に対してで遠ざかる。
系で時刻、位置、、で起こった事象(現象)は、系では、時刻、位置、、に起こる。その関係は、
(1)
(2)
(3)
(4)
である。(1)〜(4)をローレンツ変換という。は光速度。
ではルートの中が負になるのでこの世の最高速度はであることがわかる。
系と系での速度の変換式を求めてみよう。微分法により、
ゆえに、
(5)
(6)
同様に
(7)
ローレンツ変換によって、系で光速で進む物は系でも光速で進むことは各自計算して欲しい。
これで準備はできた。今度は系に加えて系に対してで同じく軸方向に進む系も考えてみよう。
系から系はで進むようにみえる。
(5)より
(8)
で運動している。従って(1)より
(8)を代入して整理すると
(9)
(10)
(10)を(9)に代入して整理すると次式を得る。
(11)
同様に、
(12)
と計算できる。
(13)
(14)
(11)、(12)、(13)、(14)より分かるように、ローレンツ変換のローレンツ変換はローレンツ変換になった。
これはローレンツ変換に矛盾がないことを示している。
2010年8月18日